コラム


第1回 注意すべき漢字

 たくさん名前を書いていると、気を付けなければいけない漢字と多々遭遇します。

 

私の記憶の中で一番最初に出会った字は斉藤さんの「斉」。小学生の時は、学校にサイトウさんが何人もいて、「斉」「斎」「齊」「齋」それぞれいました。

 

 それから、「吉」と「𠮷」。国語のテストで「𠮷」と書いた子が減点されました。そんな字はありません、と。でも、その子は後輩に「𠮷田」君という子がいるのを知っていたので、その子のネームバッジを先生に見せたところ、点数をもらうことができたのでした。

 

 更には、「隆」という字。「隆」生の上に一が入る字もあります。「隆」の字がつくお父様が、息子さんには分かりやすい「隆」の字を使うことはよくあります。

 

 書く前によーく確認するのは「辺」という字の旧字。「邊」、「邉」、之繞(しんにょう)の点が1つだったり2つだったり、付ける付けない、出る出ないなど細かく分けると「辺」という字は50以上になります。

 

 「真」という字も種類があります。「眞」は時々お見かけしますが、「直の下にハ」はこの頃少なくなりました。(このパソコンでも出せません)「直の下にハ」は市役所のパソコンで出せずに、違う字にしてほしいと市役所の担当者から頼まれ、まだ変換できる「眞」を使い始めた、という話をお聞きしたことがあります。こんな理由で戸籍や身分証明書の字が書き換えられてしまのですね。

 

 そういえば、塾講師をしている時に「令」と「令の3画目と最後の画が斜め\」の違いを聞かれた事がありました。元号が「令和」になった時に話題になったので、記憶にある方もいらっしゃると思います。これは字が違うわけでなく、字体(フォント)の違いです。「令」はゴシック体:パソコンでよく使われ、より直線的な印象です。「斜めになっている方」は明朝体:筆で書いたような字で、手書きに近い印象です。筆で書いた「令和」の「令」をなぜゴシック体で書いたのか、理由を伺いたいものです。

 

 このように漢字はややこしい、面倒、と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、私は、たった1字で意味を持っている漢字ってスゴイと思います。

例えば・・・

たとえば、こんなふうにぜんぶひらがなだったらよみにくいでしょう。

ソレニ、コンナフウニゼンブカタカナデモヨミニクイデショウ。

こうして漢字も混ぜて書けば読みやすいでしょう。